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冬音の入院
12日土曜日の午後、冬音はかなりの量のミルクを吐いたらしい 
私が母の病院から帰ってドアを開けた時、居間から次女の泣き叫ぶ声がした 
急いでかけつけると冬音は前回より更に多量のミルクを吐き出した 
まるで噴水のように 

長女が病院に電話を入れ私たちはかかりつけのS病院へ向かった 

緊急外来の担当医は小児科ではなく外科医 
その時の冬音は熱も37,7度 
嘔吐も落ち着いていたので経過観察で一旦我が家に戻ったが
夜ミルクを飲んだ後また多量に吐いた 

入院覚悟で必要な物を大体持って再び緊急外来へ向かった 
3階の小児病棟に運ばれたのは10時近く 
それから処置室で脱水症状を防ぐ点滴処置がされたが
上手く入らず結局5回目、ようやく左足に入った
側で泣き叫ぶ我が子の姿を見せられていた娘の辛い気持ちがよく分かる

私が自宅に戻ったのは真夜中12時40分 
直ぐにネットからロタウィルスの事を調べ次女に転送
深刻な病気ではない事で安心したのか娘のメールも明るい内容に変わってきた 
さぁ寝るぞ
時間は翌日13日午前2時になっていた

ロタウィルスとは
潜伏期間は約2日で、激しい嘔吐(1日5~6回)
激しい下痢が特徴で3~8日程度で治まる
発熱は半日~1日で終わる場合が多く2日を超える例はあまりない

乳幼児の冬の急性下痢症の最も主要な原因がロタウイルスによる感染症
原因がロタウイルス感染とわかるようになったのは近年で
以前は白色便性下痢症とか、冬季嘔吐下痢症とよばれていた
頻回の嘔吐に続いて、かなりひどい下痢となり
急速に脱水に陥る危険があるので、要注意

下痢の回数は頻回で、便の色は薄い黄色だったり
レモン色だったり、白っぽい感じの薄い黄色といった色調になる 
母乳はそのまま与えて良いが普段よりも少量、頻回にといった感じにする 
便中のウイルスは感染力大、おむつの取り扱いには充分注意し
手洗いはしっかりおこない二次感染を防ぐ
ロタウイルスは日本のように季節変動のある国では冬期
特に2月から4月に乳幼児を中心に認められている

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昏睡状態 経管栄養中止25日目 3階療養病棟49日目 発症から98日目

5月14日(月曜日)
母さん、冬音が入院して今日で3日目、
熱も嘔吐も治まってきたから次女の気持ちも随分楽になったようだよ

『何か欲しい物ある?』って聞くと「話し相手」って答えた(笑) 
ロタウィルス感染症胃腸炎って言っても治療薬は整腸剤と脱水症状防止の点滴だけ
後は下痢が落ち着いてくれると冬音は退院出来るよ

母さん、今回も困難を乗り越える力を私にくれてありがとう
******
10時娘の昼食を持参してS病院へ 

昨日個室から3人部屋に移動になったが
今日行ってみると同室の親子は逆に個室に移動になっていた

冬音はおむつを替えられていたので泣いていた 
「今日3回目の下痢なんだ」と娘
見れば白っぽくて薄い黄色の軟便という所かな 
娘の手には使い捨て手袋がはめられていた

「母さん、おむつに触っちゃだめよ」
使い捨ておむつは直ぐ丸められ医療廃棄物のゴミ箱に捨てられた 
ウィルス浮遊防止だ 
通常ロタウィルスはどこにでもある菌らしい
昨年暮れに流行ったノロウィルスと同じで体調が悪かったり
体力が落ちたりすると下痢や高熱などの悪さをする 
二次感染予防はうがいと手洗い 
我が家でも冬音が嘔吐した時に着ていた服や娘の服や
タオル類は全て塩素系の洗剤で洗い直した 翔悟に感染したらそれこそ一大事だ
 
病院に運ばれた時の冬音は激しい嘔吐と高熱でぐったりしていたが
今日は復活、愛らしい泣き顔と笑顔を見せてくれた 
冬音の入院_d0064859_7263624.jpg

病室で一緒に昼食を取り、娘から殆ど一方的な会話を聞いて(笑)
12時、母の病院へ向かった

母さんはいつも通り静かに寝ていたが
枕カバーのタオルや頭部付近のシーツに血痕が飛び散っていた 
最初左耳からの出血かと思い拭いてみたがその形跡はない 
左頬にも少し固まった血痕がある 
毛布をめくるとパジャマの上着だけが着替えさせれている 

口内洗浄時に荒れた舌から出血したのかなと
思い当たる節を色々想像しながら洗面所に向かった 
お湯を汲んできて床にバケツを置くとそこにも所々に血痕が飛び散っている
ただ事ではないと思い廊下を通過するM看護師に事情を尋ねた 
直ぐに担当の看護師がやってきた 
痰取りのカテーテルが鼻からの吸引時に傷を作り出血したのではないかと言った 
それほど母さんの皮膚は弱っているのだ
その血液が鼻から口に流れてきたのだろう 
母は時々痰が詰まると口から唾を吐き出す事がある 
きっと口内に溜まった血はそうやってシーツや床まで飛び散ったのだろう
かなり激しく咳き込んだのだろうな 辛かったろう

「午前中手足が冷たかったので保温させていただいています」
本当だ、手の甲と足の甲に保温剤がタオルに包まれて置かれていた
『細かい心使い、ありがとうございます』
担当看護師は血の付いたパジャマはハイターに浸けてシミが取れたら持ってきます
と言ったがUさんが更に洗って乾燥機をかけ綺麗にたたんで病室まで届けてくれた

家から持参した電池剃刀で母の眉毛を剃った 『母さん 更に綺麗になったよ』
母さんの出血は鼻だけではなく何箇所か出来た床ずれの1つ
腰の部分のかさぶたが取れて少し出血していた 
3時のおむつ替えの時ワセリンとガーゼを付けてもらった

4時の痰取り 
看護師に午前中の様子を伝えると鼻からの吸引はやめて口からだけにしてくれた
口からでも十分痰は取れそうだ

静かに眠る母さんが目を明けて苦しい顔をするのは
痙攣が止まった今は痰が喉に詰まった時だ この顔は数分続く
もしかしたら…母さんが呼吸困難になるのはこの時ではないだろうか 
ふとそんな気がした
by r-petal | 2007-05-15 07:42
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