命の日

ピース
大好きな二つの命の日が同じ月になるのは偶然なのだろうか

また流れは必然であるのか分からないけれど
幼い時から抱いた父親への反感は
母の介護時、憎しみを抱いたこともあった

所が母の他界後慎ましくピースと過ごす父の姿を見て
私はとんでもない思い違いをしていたのではと気付かされた

更にピースの余命が少なくなって来たとき
父はピースを膝に乗せ1日の殆どを一緒に過ごした
その姿はまるで親子のようで
もしかしたら母には出来なかった夫婦のようで

ピースが最後まで父を慕う姿は私の不孝を見せられた気がした
ありがとうピース

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4月30日

二日前の診察時
獣医はいずれ腹水からの苦しみがやってくると言った
それだけは避けてやりたかった
そして遂にその日が来た
ピースは大好きだったささみさえ食べなくなった
トイレもしなくなった
起き上がることも出来なくなった
体はがりがりになったにお腹は更に膨れてきた

苦しみが襲ってこない内に楽にしてあげなきゃ
獣医に電話を入れ1日の昼、安楽死を頼んだ

2日の午前中に火葬の予約を入れた

父さんはピースの棺を作り始めた
久しぶりの機械の音が居間に聞こえて来たとき
私の膝で体を横たえていたピースが顔を上げ私の顔を見た
ピースごめんよ

5月1日
朝6時45分
「YUKI、ピースが死んじゃったよう」父からの電話だった
出勤前の夫と駆けつけた時
ピースは薄目と口を少し開けていた

明け方ふと目覚めるとピースの頭は敷き布団からはみ出していたと言う
「こっちにおいで」と側に寄せ何か話している内に父もウトウトしたらしい
6時半頃 
さて起きるぞとピースを見ると既に息を引き取っていたと言う

ピースは私たちが我が身を責めぬよう
心残りにならぬ様、自ら逝ってくれた
苦しんだ様子もなく本当に穏やかな顔をしていた
半口はきっと父さんに礼を言ったのだろう
ピースに感謝すべきで悲しんではいけないと思った
とはいえ・・・・涙は止まらない

病院でピースの目を閉じてもらった
400mlの腹水を抜いたと言われた

夕方父はピースの棺を持って我が家に来た
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父の到着後娘たち夫婦も集まって場を盛り上げてくれた
ピースのお陰で賑やかな楽しい通夜だった
娘夫婦が帰った後も父と夫と三人でピースの思い出話が続いた

深夜、夫と翔&迅が父と同じ部屋で寝てくれた
夫と寝ていた翔が明け方になると
父の布団にもぐり込んで行って腕枕で寝ていたらしい
きっとピースの代わりをしてくれたのだろう

私は
酒臭くて(自分を棚に上げ)むさくるしい輩と寝たくなかったので
棺を寝室に運んでピースと寝た
ピースと寝るのは父の入院以来だ
悲しいはずなのに
涙が流れ落ちてくるのに
はしゃいだ気分になった
ピース、添い寝は久しぶりだね

5月2日
目覚めた時、ピースはうっすらと目を開けていた

ピースの棺は父と夫と私が乗る車に乗せた
若夫婦と孫たちは後続で
我が家から35キロ離れた下伊那の火葬場へ向かった

火葬時間は1時間
スタッフは顔を真っ赤にし汗をかきながら
ピースの骨をひとつひとつ、丁寧に丁寧に拾ってくれた
歯だと思っていたそれは・・・爪だった
ピースのほぼ全ての骨は丁重に壷に納められた
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父はその晩も我が家で過ごし3日の朝ピースと共に帰って行った
5月3日 迅5歳の誕生日だった

ここ数日一緒に過ごし感じたことがいくつか
父は心配したほど喪失感はなく
寧ろ心から最後まで世話してあげたと言う達成感の方が強い

逆に心配なのは父の体力だ
ピースの症状が悪くなるに従って側に居る時間が長かった分
殆ど外出も体を動かす事もなかったので足腰が大分弱くなっている
1日中一人きりでテレビ相手はやはり父にとって好ましい生活ではない

父さん、もう一度子育てしてみる?
「もう死ぬのを見るのは嫌だ」

大丈夫、父さんの方が先だから
父さん亡き後は私がちゃんと面倒を見るよ
「次はおれかぁ また最初から出来るかなぁ」

出来る出来る! 父さんは人との付き合いは下手だけど
犬の育て方は最高だったよ

翔の実家で私たちが伊勢参りに出掛けた頃生まれた子犬が居ると聞いた
母の三回忌とピースの納骨が済んでから
父と会いに行こうと思っている
出来るだけ長く母犬と一緒に過ごしてから家族に迎えようと思う
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by r-petal | 2009-05-07 11:28
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