個室2日目
夫が今日2時から眼科で検査を受ける 蛍光眼底撮影
本人の自覚症状としては「物が見えにくい」
数年前一度その治療として薬を飲んだが直ぐ効いてそのままだったと言うが
私には記憶がない・・・

昨年11月再び受診して漢方薬を飲み続けてきたが余り効果がない
「病名は?」と聞くと「眼の奥に水が溜まって・・・忘れた」
恥ずかしい話、本人にもよく分かっていない

15日に別の眼科で診察を受け検査の予約を入れた
検査に際して保証人のサインが要るというので名前を書き捺印した
どんな検査なの?と聞いてもはっきりした答えが得られない
「YUKIはそう言う事を調べるのが得意じゃないか」まったく・・・
暢気と言うか人任せと言うか・・・ネットから調べてみた

蛍光眼底撮影は眼科検査法の中でもっともよく使われる検査法で
眼底疾患の診断には欠かせない方法らしい
フルオレッセインナトリウムというかびからとられた人畜無害の蛍光色素を
静脈(腕の血管)に注射して眼底の血管に流れてきたところをブルーの光を当て
帰ってきた黄色の光をフィルターで抽出して写真に記録する方法・・・

眼底での血液の流れについて知るだけではなく炎症の有無
変性の範囲や程度、出血の原因
その他一般の眼底検査だけでは知ることの出来ない情報が得られ
病因の解明や治療方針の決定に欠くことの出来ない検査らしい

いずれにしても検査結果を夫から聞くまで待つしかない
今度こそちゃんと病名を覚えて帰れよ!

************************
昏睡状態 経管栄養中止28日目 3階療養病棟52日目 発症から101日目

5月17日(木曜日)
母さん、昨日の晩、銀婚式を二人きりで祝ったよ、
夫が花束を買ってきてくれたからそれをテーブルに飾ったの 
もう一つのプレゼントはすずらんの鉢植えが二つ
それを記念樹の代わりに夫が休みの日に二人で植えるよ

どこに植えたら良いと思う? 母さんが窓から見ていた裏庭が良いかな 
それとも玄関前に車を止めた時見つめていた小庭が良いかな 
植え終わったらまた報告するね 

来年このすずらんが再び咲く季節になると私は銀婚式の夜夫と話した事や
母さんとこうして過ごした日々を思い出すだろうね

****************
11時近く雷が鳴った 
おやつ食べていた翔がガムを放り出して
すっ飛んできて私の足元にしがみついて離れない…
困ったな、娘たちの病院に行かなければならないのに
雷が落ち着くのを待って無理やり外に出してトイレだけは済ませたが…
もうストーカー 
迅は全然平気で翔の食べ残したおやつを狙っていた(笑)
後を追ってまとわり付く翔、可哀相だがハウスの周りを柵で囲って家を出た 
病院に着くと更に雨脚は酷くなり再び雷…翔、頑張れ!

318号室の冬音と翔悟の付き添いの母親たちは元気元気(笑)
冬音は看護師にも愛嬌を振りまいていたし
翔悟は今朝から熱が下がり始めてつぶらな瞳で笑うようになった 

3回の嘔吐で始まった冬音の胃腸炎は続いて高熱
それらが治まって今は下痢が続いている状態

翔悟は高熱で始まり、嘔吐も下痢もそれぞれ1回だけ
もしかしたら翔悟は冬音ほど入院の日数がかからないかもしれない

「ばあば、私たちが退院するまで生きていて欲しいな」
『覚悟はしておいた方が良いよ それより先ずはしっかり完治』 
今日も新しい感染乳児が増えて6人になったそうだ

娘たちが頼んだ病院のお弁当は日替わりメニューになっていて
結構美味しそうだし値段も安いので入院中は仕出し弁当にしてもらった 
いずれにしてもそう長い入院ではなさそうだ 
12時半、今度は母の病院へ向かった

306号室の母さんの様子
看護師によると午前中の血圧は98/46 体温も35.8度 サチュレーションは85%  
午後私の居た時も母の呼吸は苦しそうではなかったし手足もそう冷たくなかった 
母さんは夜中から午前中が弱いみたいだ

Fさんがノックして様子を見に来てくれた
『サチュレーションが下がってきましたね』
「夜中に更に下がった時があったみたいよ 
でも午後になるとYUKIさんが来るって分かっているから良い顔になるのよ」
嬉しいお世辞だ

叔父夫婦が見舞いに来てくれた 
昨日も午前中、父が居る時に様子を見に来てくれたようだ
父さんったら昨日電話で話した時に知らせてくれば良かったのに…

3時を過ぎるとまた雨がひどくなってきた 翔…大丈夫かな? 
そう言えばもう25分過ぎたけれどおむつ替えに来ないな…一人で替えて良いのかな? 
洗面所からぬるま湯をボトルに入れて洗浄し
シートの替えが終わった時介護員がドアをノックした
『すみませんが手伝ってください』
パジャマのズボン上げをする間体を支えてもらった 替えは終わった

4時 血圧88/47 体温36度 サチュレーション72~77% 
指先からの血液中の酸素飽和度測定器はかなりアバウトらしい
例えば測る箇所、母さんの場合は足の親指だが
ここが冷たいと数値も低くなり少し暖めると数値は上がるらしい 
今の母さんの状況下では心拍がしっかりしていれば
サチュエーションが低くてもそう深刻ではないと言った

それにしても個室の中はドアを閉め切り状態だと空気がこもる
時々窓とドアを開けて空気を入れ換えた

5時近く再びH看護師が入ってきた 
酸素吸入を検討中だと言いながらサチュレーションを測った 70%
計測器の数値を見て慌てて出て行った看護師がすぐ戻ってきた
「あの・・・けさよさんは声も出ているようだし…」
若い看護師は言葉を濁して困っていた

『母が余程苦しい顔をするまでマスクは付けずこのまま自然にしておいてください』
看護師はほっとした顔をした 
ついさっき「マスクを付けます」と出て行った
きっとナースステーションに居る婦長が私と同じ言葉を言ったのだろう

母さん
もし娘達と孫の退院が母さんの見送りに間に合わなかったとしても許してあげてね

水分補給が始まった 私が帰る時間になってしまった
『母さん、約束だよ ひとりぼっちで逝っちゃ嫌だからね』
[PR]
by r-petal | 2007-05-18 08:24 | Comments(0)
<< 婦長の言葉 6度目の部屋移動 個室へ >>